Section 3

translator' memo


ヒューゲリット:Hugelitod

本作品には、数十名ものキャラクターが登場しますが、今回ご紹介する人物は、本作品中、屈指の謎めいた名前の持ち主です。

Hugelitod」は、英語文化圏の人にとっても、難読な単語で、ほぼすべての人が、「どう読むのかまったく自信がない」という状態で、オリジナルが公開された2011年から何年もの間、この名前は謎に包まれたままでした。

英語圏の人がこの名前に出会い、受ける第一印象は、どう発音して良いのか不明のため、ある種の不安を感じながらも、「ヒューゲリトッド」とスペリング通りに渋々済ませているようでした。

私は、他の読者と同様、この名前に大きな戸惑いを感じ、「ヒューゲリトッド」という日本語表記に名状し難い抵抗感を覚えました。
何故なのか、その理由は不確かでしたが、それが本作品の主人公のひとりの名に相応しくないと感じたからです。

そこで、私は直感に従って、この名に「ヒューゲリット」という名を授けることにしました。
2011年公開の「アジアのウイングメーカー遺跡とドールマン・プロフェシーのアートについて」から、「ヒューゲリット」と表記させて頂いております。

この私の命名は、私個人のジェネティック・マインドへのアクセスによるメソッドによるもので、言語によって説明することが困難なため、詳細は別の機会に譲りたいと思います。


月日は流れ、2015年になっていました。日本語版のリリースが始まっていましたが、私のこの名前に対する探求は終わっておらず、思い切って、2015年の1月、イギリスのウイングメーカー・フォーラムでこの名前に関して意見交換を提案しました。

私の
GMへのアクセスによる印象では、この名前の基本的なヴァイブレーションはドイツ語で、それにフランス語がミックスされています。

そして、この「
Hugelitod」という名は、ジェームズによって創作された名前ではないかというものでした。

フォーラム参加者の
starduster によれば、「Hugel」はドイツ語で「丘」を意味する単語であるとの指摘がありました。

この指摘は非常に刺激的です。
何故なら、
AAPの重要キャラクターである「Lea」(リーア)が意味する「草原」に類似点があるからです。
ウイングメーカーの文学において、「丘」や「草原」のような心象が、「変革者、あるいは救世主」のようなイメージと結び付けられているのは興味深いです。

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