Section 5
translator' memo
タロットカードとDPの登場人物との関連性について
本作品では、大勢の魅力的な登場人物が描き出されていますが、ジェームズが「序文」の中で言うように、「この物語の中に登場する人物は、私たちひとり一人の中に存在する一部分」であるとされています。
これを言い換えるならば、この作品中のキャラクターはこの惑星の深層意識の中にある、一種の「元型」が投影されたものであると言えるかもしれません。
その元型として、最も有名なメタファーは、タロットカードの大アルカナでしょう。
この仮説を元に、各登場人物がどのカードに該当するのか思索してみると面白いです。
例えば、I の魔術師は、シモン
V の教皇は、カルノメン
IX の隠者は、ジョセフ
この辺りが素直に心に浮かんできます。
更に想像力を膨らませると
XVII の星は、ヒューゲリット
XXI の世界は、オラクル
そんな元型的なイメージがそれぞれのキャラクターには含まれているのかもしれません。
この仮説について補足すると、「序文」の中でジェームズが用いた「hierophant」という単語がタロットカードの大アルカナの一枚である「V」の教皇に当たる単語と同一であること、マジックナンバー「16 20 12 9 3 11 8」が大アルカナを構成する0から21までの数字内のもので構成されている点が大変興味深いです。
さらに言えば、タロットカードは「オラクル・カード」の一種でもあります。